テニス一点集中型上達法。得意を極めれば、それはあなたの武器になる。

テニスはオープンスキルのスポーツです。そのため、「答え」というものはありません。
ストローク、ボレー、サーブ、スマッシュ、などなど、テニスを構成する要素はとても沢山あり、何から鍛えていけば良いのか路頭に迷うこともあると思います。そこでお勧めするのが、一点集中型の上達方法です。

テニスの上達に最も効果的な方法は、一つの得意分野に特化することです。この記事では、テニスの一点集中型上達法に焦点を当て、あなたの得意を極める方法について解説します。得意を極めれば、それはあなたの武器となり、対戦相手に圧倒的なアドバンテージをもたらすでしょう。

得意分野の特定

最初に行うべきことは、自分の得意なテニスの分野を特定することです。

サーブ、ボレー、ストローク、スピンなど、さまざまなテニスの要素の中で最も得意だと感じること、自信をもって出来ること、好きだと感じることは何でしょうか。コーチやほかのプレイヤーからもアドバイスを貰いましょう。客観的に評価をしてもらうことで、さらに軸となる分野を明確にできます。そして何よりもこのプロセスは楽しんで実施してください。

個性を引き伸ばす

自信の持てるショットを習得したら、それを磨いていきます。どうすれば強く打てるのか、どうすればコントロールできるのか、どうすれば効率よく打てるのか、常に進化を模索しながらボールを打ちます。コーチや指導者は、打点の取り方やフットワーク、ポジショニングなどのアドバイスはするかもしれませんが、「打ち方」については基本的なこと以外はある程度自由に任せてくれると思います。

「得意」や「好き」なショットを集中して鍛えることで、「自信」の拠り所が出来、全体のレベルが上がっていくのです。
打ち方などが多少おかしくてもそんなに気にしないでください。自身の体にとって理に叶っていれば良いのです。綺麗な型にハマることなく、あなたの個性を育ててください。その「個性」は誰にも真似できない、貴方だけの特別な武器になるのですから。

戦術の構築

得意分野を持つことは、テニスの戦術を構築するための強力なツールです。ストロークが得意であればあなたはベースラインプレーヤーです。強力なストロークを主体に相手を翻弄し、優位な状況を生み出しましょう。また、鉄壁のディフェンスで相手を根負けさせ、ミスを引き出す戦略を考えても良いでしょう。

ボレーが得意であれば、積極的にボレーに出てポイントを取っていきましょう。おそらくは繊細なタッチも難なく習得できるかと思います。ボレーでポイントを決めるためには詰めが重要です。組立てからのフィニッシュポイントまで創造し、華麗な技を見せつけてあげましょう。

サービスが得意なあなたは試合の支配者です。最初のポイントからエースを狙うこともできますしダブルスであればパートナーが面白いようにボレーを決めてくれます。テニスではサービスキープこそが勝利への鍵ですので、サーブに自信を持ったあなたは圧倒的なプレッシャーを相手に与えることが可能です。

ひとつの得意分野からはそれを軸とした戦略の考え方が広がります。得意分野を極めていくことは、それに追随する技術も相対的に向上していきます。ストロークを活かすためのサービスは、コース重視だったり、キックサービスだったりもします。このように、自信をもって打てるショットのために、それを活かすための技術が不可欠であり、結果としてすべての要素が持ち上がっていくのです。

心と体の準備

得意分野を活かすためには、メンタルとフィジカル、両方の要素が欠けていてもいけません。心技体、これらは三位一体です。プレッシャーのかかる場面を想定した練習に取り組むことも上達には欠かせないものです。一点集中した技術習得の過程で、それに必要なフィジカルも同時に鍛えられていきます。また逆に、技術のためのフィジカルを鍛えることで習得スピードが劇的に早くなることも忘れてはなりません。

最終的には「個性」

競技者ともなればベースとなる技術は大体同レベルに感じられるでしょう。得意分野を極めてきたプロセスで得た独自の個性は、プレースタイルに大きく影響されます。さて、プロの選手たちをよく観察してみてください。たとえば、シャポバロフ選手のジャンピングバックハンドなんかは誰も真似できない武器ですよね。我々も頑張ってまいりましょう。