シネマトゥデイより
シネマトゥデイより
作品概要
この映画は、2017年アメリカで制作された映画です。バレリー・ファリス&ジョナサン・デイトンが監督、ダニー・ボイルが制作、サイモン・ビューフォイが脚本で制作されました。
キャスト
ビリー・ジーン・キング役にエマ・ストーン、ボビー・リッグス役にスティーブ・カレル、マリリン・バーネット役にアンドレア・ライズボロー、グラディス・ヘルドマン役にサラ・シルバーマン、ジャック・クレイマー役にビル・プルマンが勤めています。
作品の舞台
主に1973年に実際にテキサス州ヒューストンで行なわれた世紀のテニスマッチを舞台としたストーリーを映画化。女子世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと当時55歳の元男子世界チャンピオンであるボビー・リッグスとの対戦(男女対抗試合)は”Battle Of The Sexes”と銘打たれた。男性至上主義に一人で立ち向かう女性のかっこよさ、テニス独特のメンタルに関する苦労、試合までの努力を細かく繊細そして目に見える成長、そして人間の陰と陽の対比表現方法が素晴らしく描写されている映画です。
登場人物(主人公)の性格
ビリー・ジーンは当時大きな問題となっていた「男女の賞金格差」について勇敢に立ち向かう強気な性格の持ち主でありまた、反対に夫ラリー・キングに内緒でマリリン・バーネットとの浮気・同性愛で自分を恥じてしまいそれが原因で満足するプレイが出来なくなり敗北を喫してしまうといった繊細な部分をも持ち合わせているような人間味も溢れ、そして練習への積極的な取り組み、試合前の意識の高さなど自厳他寛な部分も持ち合わせている女性です。
映画の見どころ
やはり一番の見どころは、「ラ・ラ・ランド」でお馴染みの美しさも可愛さも兼ね揃えたエマ・ストーンが演じる女子世界チャンピオンであるビリー・ジーンが「テニスをする男性も女性も対等な敬意を払ってほしい」と試合に込めた最後の元男子世界チャンピオンのボビー・リッグスとの対戦までの葛藤・責任感・懸命さなどのあらゆる感情を表現した場面、そして勝利した後のロッカールームでの涙は観ている人を感動の渦に巻き込むような包容感で満たされます。他にも、ボビー・リッグスは妻から別れを告げられるほどの極度のギャンブル依存症であり息子には「1ドル賭けてもいいよ」と移ってしまった場面は自然と笑みが出てしまいます(笑)また、ボビー・リッグスは対戦相手のビリー・ジーンに勝利したマーガレット・コートに6-1で完勝したからといって練習を疎かにしたり、フライパンでテニスをするなどと油断しているボビー・リッグスを打ち負かした時の漫画のような逆転劇、そして仲間からも負けるだろうと言われていたものをひっくり返した事もとても爽快かつ自然と心が踊らされました。やはりテニスの試合で勝った時やもちろん負けた時でも全力を出し切れたのならば、その時の幸せは素晴らしいものであり経験しないと分からないものです。しかしこの映画ではかなり上手に表現しており、視聴した人はテニスがやりたくなるでしょう。
この映画が伝えたい事・学べる事
やはり自分が間違っていると思った事は自信を持って信念を曲げず、様々な壁に奮闘する事は、たとえ成功しても失敗してもその経験が自分を成長させそれに伴い周りも自然と変化していくと私は思います。事実、この映画で描かれている「男女の賞金格差」は当時、女子の優勝賞金は男子のちょうど8分の1であると深刻であったが2019年現在、グランドスラムでは男女同額とビリー・ジーンが知ればきっと驚愕する事が起きています。この事はきっとビリー・ジーンの活躍があったからこそだと私は信じます。
こんなに大きな事ではなくてもよいので、例えばテニスがしてみたいけど時間がない、コートの場所がわからないだとか言っている方がいらっしゃればそれは挑戦するチャンスだと考え方を変え、こちらのサイトでCATEGORYからテニスコートの情報を見てみたりだとか、小さな一歩が自分を成長させてくれると思います。
まとめ
最近、大坂なおみ選手の活躍により日本での女子テニスの時代が到来しているからこそ観るべき映画であると思います。もしかするとビリー・ジーンのこの活躍がなければ大坂なおみ選手も女子テニスも注目されないといったことがあったかも知れません。それだけこの映画で考えさせられるものがあると思います。また、作中にもある最後の試合後の握手は全力で試合を行ったからこそ、お互いを讃えあえるものでありテニスの最も良い醍醐味の一つをも感動的に表現しております。テニスの経験者の方は自然と楽しかった試合や思い出深い試合がふと脳裏をよぎるのではないかと思います。未経験者の方もテニスを始めれば、きっとやっているうちに、この場面と自分が重なる感覚が感じられると私は思いますので、是非バトルオブセクシーズを観てテニスをしてみましょう!最後になりますが、役者さんのはまり具合から試合の表現までとても素晴らしい映画となっております。
男女格差についていろいろと考えさせられる、オススメの映画となりますので、是非一度ご覧ください。